一番必要なものは人間関係?ホーソン実験が証明したこと

一番必要なものは人間関係?ホーソン実験が証明したこと

組織の心理学の基本として「ホーソン実験」というものがあります。

アメリカのウェスタン・エレクトリックという電話に関連する危機を製造する工場で、

約9年に渡って行われた実験です。

この実験により、組織で働く人間の作業効率は、物理的な環境ではなく、職場の人間関係が大きく関係しているという事が判明しました。

 

作業環境と生産性にはどんな因果関係あるのかという事を調べる実験で、大きく分けて次の4つの事を行います。

 

・照明と作業効率の因果関係の調査

・リレー組み立て実験(労働時間や賃金など様々に状況を変化させて労働させる実験)

・従業員の面接調査

・バンク配線作業の観察実験

 

まず、人間の作業効率は作業を行う環境の物理的な要因や経済的な要因が関係しているのでは?という考えをもとに

工場の照明を明るくしてみたり、温度や湿度、賃金や労働時間、休憩時間、などを様々に変化させ、それらの要因が作業効率にどのような変化をもたらすかを検証しました。

ですが、どの条件でも回を重ねるごとに作業効率が上昇するという結果となり、作業効率との因果性を掴むことができませんでした。

※ちなみに作業条件を実験開始以前のものに戻しても作業効率は上昇しました。

 

結局、一番大切なのは人間関係

なぜ、作業環境の変化に関係なく、効率が上がり続けるのか…

実験結果を分析したところ、3つの事がわかりました。

・実験のメンバーに選ばれ、周囲から注目されたことで誇らしさを持ち、満足感が上がったため

・実験がスムーズに進むよう、担当者が友好的な姿勢で、従業員に丁寧に接したため

・少人数のグループで作業をしていたので、従業員同士が親密になり、助け合いの心や競争意識が芽生えたため

物理的な条件ではなく感情的な側面が効率に大きく関係していたのです。

人間関係の充足は生産性を左右するという事を解明したのです。

 

社内には2種類のグループがある

また、さらに従業員面接調査で

社内には2つのグループ属性があるという事を聞きました。どのようなグループかというと、

一つは「担当部署」のように公式なグループ。もう一つは従業員が親交を深めて繋がった非公式のグループです。

そこで、実態を調べるため、配線作業の観察実験を行います。

すると従業員は2つの非公式グループと数人の独立したスタッフで成り立っていることが判明しました。

更に、その非公式グループには、「仕事に精を出しすぎても、怠けすぎてもいけない」「上司に告げ口をしてはいけない」「仲間に横柄な態度をとらない」など暗黙のルールがあり、統制を保っていたのです。

この事により、組織で働く人間はお互いの関係性を重視していて、作業環境の物理的・経済的な原因以外に人間関係の充足などによって働くモチベーションを向上させていたという事が判明しました。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか? 私も自分の経験をもとに考えると、自分が周囲の人に認められていたり、職場の仲が良いと、仕事に対するモチベーションがすごく上がったことを覚えていますが、正直ここまで生産性に直結しているとは考えていませんでした。

人間関係の充実は従業員側だけではなく、企業としても本当に大切なことですね。

 

参考:カオナビ「ホーソン実験とは?」日本マーケティング協会「ホーソン効果」